カメラの設定よりも先に「光」を見る

 現場に着いて、まず何を確認しますか?

 カメラをバッグから出す前に、必ずやるべきことがあります。
 それが「光を読み、現場を歩く(ロケハン)」ことです。

 プロとアマチュアの決定的な違いは、「どこが一番きれいに写るか」を、お客様と合流する前に確信できているかどうかにあります。


1. ロケハンは「心の余裕」を作る作業

 私は、ロケハンが撮影の50%を占めると考えています。

  • 30分前の到着: 何度も行った場所でも、季節や天気によって光は変わります。少し早めに到着して、自分の足で境内を歩きましょう。初めての場所ならなおさらです。わたしは1時間前には着くようにしています。
  • 「光の逃げ場」を探す: ピーカンの直射日光、突然の雨、暗い木陰。どんな状況になっても「ここなら最低限はクリアして撮れる」という避難場所を2ヶ所は見つけておくこと。これが現場での「動じない心」に繋がります。そのなかに「綺麗な写真を撮れる」場所があるなら、さらに安心です。

2. 「順光」よりも「サイド・半逆光」を使いこなす

 人物を撮る際、真正面から光が当たる「順光」は、眩しくて目が細くなったり、顔に強い影が出たりしがちです。

  • 柔らかい光を探す: 建物や木の影、あるいは光がふわっと回っている場所。
  • 空気感を描く: 髪の輪郭がキラリと光る逆光や、顔の立体感が出るサイド光。これらを意識的に選ぶことで、写真に深みが生まれます。

 「順光」での撮影は逆に難しいです。特に目が空いていることが前提の記念写真では、目瞑りの失敗につながりやすいのです。

 光の向きは、カメラマンの好み次第でもあるので、自分の好きな形、場所と時間によっての最適な場所を、自分なりに見つけておきましょう。

3. 背景の「引き算」をする

 光と同じくらい大事なのが「背景」です。

  • 邪魔なものを消す: 自販機、看板、カラーコーン、他の参拝客の動線。
  • 奥行きを作る: 参道の並木や、鳥居の重なり。レンズの特性を活かして、「どこを切り取れば物語が見えるか」をロケハンの時点でシミュレーションしておきます。

 人気の神社などではどうしても背景がうるさくなることがあります。
 その場合は、「人気の場所ですので、背景に人が入ることをお許しください」など、お客様に一言お声がけをしておきましょう。
 


「準備」という誠実さが、写真に宿る

 お客様と合流したときに、「あそこの光が今、綺麗ですよ。撮りに行きませんか!」と自信を持って言えること。

 その確信が、お客様に安心感を与え、あなたの写真を「プロの仕上がり」へと引き上げます。

 光を味方につければ、高価な機材に頼らなくても、驚くほど美しい写真は撮れるのです。
 そのためには「準備」です。

 昔はフィルム撮影で、後からの加工は全くできませんでしたが、それでも綺麗に撮っていたのですから。それはしっかり準備をしていたからです。

現場で「光を見抜く目」を養いたい方へ

同じ場所でも、立ち位置や向きを少し変えるだけで写真は変わります。 研修では、私が実際に現場のどこを見て、なぜその場所を選んだのか。その「判断の理由」をリアルタイムで解説します。

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