家族と子供のホントのナチュラルフォト

家族の写真

前回最後の方に、岩合さんのインタビューが大切なきっかけになったと書きました。
今回はそのお話です。

私がフリーカメラマンになる前は子供の写真と関わる仕事をしていました。
それはよくある子供写真、笑ってと言って笑ってもらったり、ポーズを取ってもらうような。

モデルさんの子供たちはとても可愛く、写真ももちろんきれいに仕上がります。
だけど、ずっとなにか物足りませんでした。

それがある時気がつきました。
本番撮影の合間の時間、子供達の表情が生き生きしていることに。
「私は今まで何を見ていたんだ」自分の不明が情けなかった。

「いつもの元気いっぱいの子供たちの姿をそのまま撮りたい」

それからはそのことで頭がいっぱいになりました。
それまでにあった世の中の子供の写真に満足できなかった理由は、今ではシンプルに表現できます。

「嘘くさい」
「子供たちの命のきらめきを感じない」

子供たちは大人が隠してしまう感情をそのまま表現します。
お子様がおられる方なら、我が子の作り笑いと心からの笑顔、全然違うのわかりますよね。

子供に無理につくってもらうとそのよさを消してしまう。
子供の商業写真はある意味「大人がイメージする子供の写真」なのです。クライアントに受ければ、きれいであれば、本当の表情でなくていい。

私は思いました。
「『きれい』な写真よりも『心に響く』写真を撮りたい」

だけど、会社に属してそういう写真を撮ることは無理があります。フリーになるしかない。
一人でするなら出張カメラマン。いろんなHPを見ました。
でも、そこにあるのは背景がナチュラルなだけで、素敵な瞬間じゃない、今までと変わらない写真ばかり。
写真は瞬間を切り取ってこその写真です。心きらめく、素敵な瞬間を。

そんな写真を見ていて、ホントのナチュラルフォトって求められているんだろうか・・・私には家族がいます。迷いました。

そんな時、岩合さんのインタビューを読みました。
随分前の記事なのであやふやな記述になりますが・・・

「ずっと自分がイメージする動物の写真を追っていたが思うように撮れずもがいていた。ある時、現地では普通にある動物たちが葉を食べている光景に心を打たれた。その時を境に肩の力が抜けて、動物たちのあるがまま全てを受け入れるようになった。」

と言った内容です。
あの岩合さんですら迷いながら進んできたのです。私は迷走しても当然。だったら決心しよう、「少ないかもしれないけど、子供達そのままの姿を愛する人たちのために写真を撮ろう」そう思いました。

あれからまもなく7年を迎えます。少ない方々ですが、非常に深く愛されて今もなんとかカメラマンとして生活しています。

あれから気がついたこと、それは子供だけじゃなくて大人も一緒だということ。
子供たちとふれあうパパやママは、他のことを心から追い去って、とても素敵な表情。

今回は一枚だけ写真をご紹介します。
入学式の当日、式の後で近くの公園での撮影です。
お嬢様、走ってきてお母様にどーんって。
ぎゅっとされてうれしいお嬢様と、娘さんの成長がうれしくも少しさみしいお母様。

家族の写真っていいです。本当に。
写真はホントに大切な一瞬を、止めることができるから。

家族の写真

これからも心からの表情を大切に、もうこのことはブレません。

子供達の心からの表情が好きな方々とお会いできる日を楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。