ナチュラル・きれい・心に響く写真

自分が好きな写真を撮れるようになりたい方のための写真教室です

 みなさんの好きな写真はどんな写真ですか?
 きっとそんな好きな写真のような作品を、自分でも撮りたいと思うのではないでしょうか。
 だけど、このページをお読みの方は「それが難しくて・・・」なのではないでしょうか。

 最初は真似から入るのがいいです。いろんな習い事と同じです。
 真似ができるようになる頃には、もっと自分の好みができているでしょう。
 その人の個性というのは、他の人と同じことをしても違いが出てくることだと思うのです。

写真の違いに気づきましょう

 撮影のアドバイスをしていると、自分の理想の写真像と実際に撮れた写真で何が違うのか、どうすれば写真が自分の理想に近づくのか、が気がつきづらいことに気がつきます。

 例えば、「あと一歩近づいて撮ってみてください」、その一言で写真が激変したりします。

上のアドバイスの「あと一歩」が意味するのは、「写真の中の主題を大きく、その他を切り取って」ということです。「一歩」の間合いが写真の中の主題の比率を変えるのです。

 写真の違いとはなんでしょうか。
 写真を構成する要素を、ひとつずつあげてみましょう。

写真を構成する要素

 まず目の前に、撮りたいものがあるとします。2つのシーンを仮に想定しましょう。

 旅先での「お花畑」と、休日に出かけた時の「カフェのランチ」とします。

when いつ?

 写真の最初の要素は「いつ」です。

 お花畑をいつ撮りますか?

 朝のお日様が斜めから光をくれる時、お昼の最も明るく影が短い時。もう少し細かい基準だと、お日様が雲に隠れた瞬間、雲が通り過ぎた瞬間、ミツバチが飛んだ瞬間、風が吹いた瞬間。

 ランチをいつ撮りますか?

 出てきた瞬間をそのままは、リアルな感じがいいですね。少し食べてから撮りますか?食べてないけど、ちょっとフォークを置いてこれから食べる感を出しますか?綺麗に食べてしまって、料理を想像してもらう変化球もタマにはありかも。

where どこで、どこから?

 次の要素は「どこから」です。

 お花畑をどこから撮りますか?

 ずっと離れて周りの光景も入れると、お花畑がどんなところにあるのかわかりますね。近づいて、お花畑全体で写真を埋め尽くすと、一番お花畑らしいです。もっと近づいてお花を絨毯のように、さらに近づいて、一輪一輪を大切に撮るのもいいでしょう。近づいたら「上から」「横から」。お花のイメージは全然変わります。「どこから」は位置だけじゃなく高さもです。

 ランチをどこから撮りますか?

 体を起こして、ランチ全体を写真に入れて、背景にお店の様子も入れましょう。
 やっぱりメインはランチだから、少し見下ろして、ランチだけも撮りましょう。
 ランチの中の主役はだれでしょう?
 少し近づいて主役は少し大きめに。脇役さんは少しカットされちゃってごめんなさい。
 光が斜め後ろからあるといいですね、そんな席を座る前に見渡して。
 あとはランチの写真らしく。
 目の前の食器全部を撮るのと、主役を感じて、しっかり主役として撮るのとは全然写真が変わります。

ここまでカメラに関することが出てきてないですよね。
写真を撮るということは「カメラを操作すること」より以前に「被写体をいろんなところから、よく観察する」ということが大切です。

how どのように?

 ここからがようやくカメラに関することです。
 最初は「構図」です。

構図

 写真教室でよく言われる構図に関する理論は「三分割法」を主とした「分割法」や「黄金比」などがあります。中には、日の丸構図はダメな構図なんて言われることもあるそうです。

 だけど、そういうことをずっと気にして撮ってたら写真がおもしろくないです。趣味の写真は芸術※1だから、誰にも共通の正解なんてないんです。その写真を「好きか、そうでないか」のどちらか、ただそれだけ。

 その「好きか、そうでないか」を決めるのは自分自身。 人の感想を気にしすぎると写真を「撮らされて」しまいます。

 みなさんは「撮らされたい」ですか?

 人の意見を気にしながら生きる人生はつまらないです。(←なんかえらい大きな話だぞ。笑)
 せめて趣味の写真は「好きな写真を撮りたい」そう思って欲しいのです。

 人の意見を気にしないで、「私が好きな写真」そう言い切れることが、写真の上達の最初のハードルかも知れません。

 写真の構図はそんなにパターンはないです。だから、適当にたくさん撮ってたら、中にはいいと感じる一枚があります。その「いいと感じる」一枚を撮るために必要なのは、「頭を柔らかくして想像力豊かに、いろいろな構図で撮ってみる」に尽きます。

 「その想像力がでてこないー!」という声が聞こえてきます。
 そんな時は、同じような被写体を写した、誰かが撮ったあなたのお気に入りの写真をみてください。そしてその構図を真似しましょう。カメラやレンズが違っても、構図が似ていれば、その写真に近づけるはずです。

構図で一番大切なことは「あなたが気に入ったかどうか」です。
構図を学ぶ、感じる簡単な方法をひとつお伝えします。

1. 被写体を写真の真ん中にして撮る
2. トリミング(切り取り)して、その写真がどう変わるかを感じる

慣れないうちは最初から理想図が見えません。デジタルの恩恵を有効に使って、学び感じ楽しみましょう。

 構図を気にしながらたくさんの写真を見ていたら、あなたの好きな構図が見えてきます。ひとつではなく、きっといくつも。

 あなたが好きな構図にあなた自身が気がつけば、あとは数を撮っていきましょう。自然に好みの構図で写真が撮れるようになります。

 もっと言うと、「撮る前から仕上がりの写真が見えている」ようになります。見えていたら、あとはそうなるように撮るだけです。

 そうして撮った写真は、「撮れた写真」ではなく「真似」でもなく、あなたの作品です。

 みなさんが、「私の作品」を撮れますように。

 またいつか続きを書きます。

※1 趣味の写真は芸術(art)、商業撮影などで目的のある写真はデザイン(design)です。artとの違いは「どうしてこうしているのかを説明できる必要があること」つまり論理が必要なのです。一方artは創作者の感性から創られるもの。趣味の写真はみなさまの感性で楽しみましょう。(*^^*)

写真の基礎講座 理論編

現在進行形です。随時更新します。

  1. 写真のピントについて考える
    1. 被写界深度 ボケとパンフォーカス
  2. 写真と光について考える
    1. 光の向き
      1. 順光と逆光
    2. 写真の明るさ
      1. ハイキー・ローキー
    3. 写真の色合い
      1. 色の基本RGB
    4. 写真の構図
      1. 画角
      2. 構図入りの理論